ナノ形態の応用
ナノ形態を制御すると,均一な物質にはないユニークで有用な特性が得られます.新しい機能の探索から実用化まで幅広い研究を行っています.
ナノ形態を使った局所加熱を利用した流体駆動
金ナノ粒子薄膜は薄い層(~10 nm)で光をよく吸収して熱に変換します。この局所的に発生する熱を利用することで、液体中での気泡生成過程やその周辺の対流の発生原理について詳しく調べています。
- 金ナノ粒子薄膜の光熱変換特性を利用してマイクロバブルと対流を発生できます。(K. Namura, K. Nakajima, K. Kimura, M. Suzuki, “Photothermally controlled Marangoni flow around a micro bubble,” Appl. Phys. Lett. 106 (4), 043101 (2015). )
- 水を脱気することでバブルの成長を抑制し、1 m/sオーダーの急激な流れを生成することに成功しました。[動画 左:脱気なし、右:脱気あり](K. Namura, K. Nakajima, M. Suzuki, “Quasi-stokeslet induced by thermoplasmonic Marangoni effect around a water vapor microbubble,” Scientific Reports 7, 45776 (2017).)(京都大学研究成果欄でも紹介されました:変幻自在のマイクロミキサー -水蒸気マイクロバブルを使った少量流体の高速撹拌に成功-)
- バブルを加熱する光のスポットの形を変えることで、バブルの周りにできる流れの向きを変えることができます。壁面に平行な向きの急激な流れを作ることができます。動画中のスケールバーは 100 μm。再生速度は x1/2。(K. Namura, S. Imafuku, S. Kumar, K. Nakajima, M. Sakakura, M. Suzuki, “Direction control of quasi-stokeslet induced by thermoplasmonic heating of a water vapor microbubble,” Scientific Reports 9, 4770 (2019).)(京都大学研究成果欄でも紹介されました:水蒸気バブルで液体を意のままに操ることに成功 -泡で動かす強力マイクロバブルポンプ-)